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ミラン・トゥーツォビッチ展

セルビアの画家

Milan Tucovic Exhibition

2013年10月5日(土)~10月14日(日)

1965年 セルビアのゴロビリェ(ポジェガ市)に生まれる。1991年 ベオグラード芸術大学応用美術学部彫刻卒業。マジカル・リアリズムから出発。油彩、水彩、オブジェは国内で高い評価を得ている。

ミラン・トゥーツォヴィッチ展2013
セルビアのアトリエにて

旅と迷路と夢

詩人・ベオグラード大学教授 山崎佳代子さんの文章より

ランカ・タシッチ通り40番地の四階、かつて作家キシュが棲んでいた部屋で、元夫人ミリヤナさんとお話をしていると、ベルが鳴り元気な声が響く。トゥーツォビッチ夫妻が、故郷のゴロビリェから、馬鈴薯を運んできたのだ。夫人への贈り物は20㎏ほどあったろう。内戦、国連制裁、食糧も手に入れるのが難しい時代だった。初めて会う私に、日本語を少し知っている、と言う。「足の向くまま、気の向くまま・・・・」美術高校時代に仲良しだった日本人留学生の口癖だった、と言う。キシュの短編集の邦訳『若い日の哀しみ』の表紙画をお願いした。あの日から二十年が経つ。彼らの画廊UROBOROAは、白石かずこの朗読をはじめ、力強い魂を招き、よき仲間の集う炉端となった。

 男と女、人と人、人と自然の絆がますます危うくなっていく今日、セルビア現代時美術の旗手ミラン・トゥーツォビッチが織り上げる、旅と迷路と夢に、耳を傾けていただけたら幸せである。

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